MAKOTO FUJIBE
人材ソリューション事業で、
私は、ベンチャー企業の
大きな飛躍に貢献しています。
株式会社デイリー・インフォメーション関西
ヒューマンリソース部
藤部 真琴
「求人広告」によってビジネスを推進しようとする企業の多くは、いわば成長期にある中小企業だ。そこには採用の成功がそのままビジネスの躍進につながる、ダイナミズムがある。だが同時に、急拡大した組織には別の問題が生じることもある。デイリー・インフォメーションの求人部で営業として働く藤部真琴は、もっとも思い入れがある企業が大きな壁に直面した時に、求人広告に携わることの重みも思い知ったという。6年間におよぶベンチャー企業との並走を振り返る。
私が求人広告の代理店で働こうと思ったのは、新人でも企業の社長や人事部長など、経営層に直接提案する機会があることを知ったからです。学生時代には、具体的にやりたい仕事のイメージがなく、できるだけビジネスの川上と触れながら、ビジネスパーソンとして成長し、いずれはステップアップをしていこうと思っていました。しかし、実際に求人広告に携わってみると、これが実に奥深い。しかも当社は、自社商材だけを取り扱う「メーカー」でもなく、特定の媒体しか取り扱えない専属代理店でもないので、何でも提案ができる。さらに言うと、多くの企業の人事制度や待遇や社風を知れば知るほど、「DACグループってかなりいいんだ」と実感することになり、気が付いたら転職という考えは消え去っていました。
新卒入社1年目の10月、私は起業したばかりの商社と接点をつくることができました。従業員数はまだ5名。社長は外国人で、電子機器から取り出したレアメタルを再利用するビジネスを立ち上げたところでした。ビジネススキームはしっかりしている。けれど人員が足りない。社長から「英会話でビジネスができる人材」という明確な条件を提示されたので、それに最適な求人媒体をご提案。後日、出稿のご連絡をいただき、当社との取引がはじまりました。
当初、中途採用のお手伝いからスタートしたプロジェクトは、新卒採用にも拡大。従業員数は最大70名にまで膨らみました。お取引がはじまって丸6年の間に、10倍以上の規模になったことになります。急成長を下支えしたのは、紛れもなく「人」の力。これまでに入社した社員の半数以上は、私が提案した媒体を通じて採用した人たちです。このお客様からは、社員旅行にも誘っていただくなど、他の取引先とは違う絆が育まれています。
お客様の成長と同じリズムで、私もまた着実に成長しました。営業パーソンとして数字にこだわりを持ちながらも、お客様に親身にならなければ数字は継続しないということも学びました。営業という仕事をしていると、主語を「自分」に置くか、「お客様」に置くか、悩むこともあるのですが、どちらにも置けばいいんだと思えるようになった。それは、他のお客様との接し方や提案の姿勢にも変化を与えてくれました。もちろん人間なので、すべての案件に身も心も捧げることはできません。しっかりと信頼関係を積み上げるには時間もかかる。けれど、信頼関係が築ければ、チャンスも巡ってくるし、自ずと数字にも反映されるものなんですよね。
そんな距離の近いお客様なのですが、実はこの1年間は、求人広告の出稿はしていないんです。急成長し、組織が大きくなるほど会社全体が同じ方向を向くことは難しくなっていきます。「まずは人を増やす」という段階を脱し、「会社の方針や社長の想いを社員全員で共有する」という新たな課題が生まれたのです。私としても、求人広告を見て新しく入社した社員が、広告とのギャップを感じて去っていくのは本意ではありません。求人はあくまでも「入口」づくりですが、入った後にどのような研修があり、どのような制度があり、どのようなキャリアパスがあるのか、実は「中」の充実もセットでなければいけないと私は感じます。
そんな折、社長から連絡をいただき、改めて採用活動を再開したいというお話が出ています。社長は私の新人時代をよく知っていますし、私の役職が上がるたびに、我が娘のことのように喜んでくださる方。また時に、悩みごとも吐露してくださる方です。その社長が「いま社内改革を進めている。新たに人事担当者も立てた。力を貸してほしい」とおっしゃっている。私は媒体以外で解決すべきことについても意見を求められています。ヒューマンリソースという業界で働く喜びは、担当しているお客様の成長を肌で感じられること。そして、「人」を通じて経営課題を解決できることです。社長の力に私はきっとなれる。その一心で、何とか現状を打開するために、いまさまざまなアイデアを練っている最中です。